801-MRの内部について

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 これは801-MRの内部記録と、部品交換の記録として作成しました。
 なお毎度の事ですが、古い電卓の部品交換等はどうか自己責任でお願いします。

※801-MRの内部

 801-MRは、外すネジは本体上部・DCコネクタ横のネジ1本だけです。ただし上下をプラスチックの爪で固定してあるので、無理に外そうとすると爪を壊してしまいます。
 ネジを外した後は、本体上部の左右を押して(下の黒いプラスチックの方)、上部から爪を外します。上が外れたら、下を本体上方(ディスプレイの方に慎重に持ち上げていくと、画面1のように上カバー(白色)が外れます。


画像1:カバーと基板側を分離した所


画像2:メイン基板+キーボード基板。VFD(蛍光表示管)はNEC製。

 VFD(蛍光表示管)はNEC製の8桁管。キーボード基板とその下のメイン基板とも、ネジ等では全く固定しておらず、このまま引っ張ればズルズルと外れてきます。
 なお、双方の基板は左側で、画像3のように細い金属の板で接続されています。カシオの古いポータブル機では結構見かけます。


画像3:キーボード基板を上げて、メイン基板を見る

 CPUはHD3654(日立)の1チップ。8桁版のカシオ・ミニ(ROOT/ROOT-M)等と同じものです。
 電解コンデンサ(水色)は6本で、162-Fはエルナー製でしたが、ここはルビコン(Rubycon)製です。CPUとVFDユニットに挟まれて、トランジスタが2個見えます。JRC製の2SA573です。

1.電解コンデンサの交換

 電解コンデンサはメイン基板の右半分4本、下部に2本使われています。
 今回も全数交換です。交換はこんな感じに行いました。基板パターンは162-Fより狭いですが、交換はそんなに難しくありません。

・Rubycon 100μF/10V → NIPPON CHEMI-CON SMG 100μF/16V へ交換
・10μF/16V(1) → SMG 10μF/50V へ
・10μF/16V(2) → KMG 10μF/50V へ
・10μF/25V → KMG 10μF/50V へ
・1μF/50V(2本) → SMG 1μF/50V へ

 1,10,100μFときれいな数字が並んでいます。100μFは16V、その他は耐圧50Vで統一しました。

 今回は、半分実験で基板下部の10μF・2本に日本ケミコンのKMG(SMGの105℃版)を使ってみました(画像4の茶色のコンデンサ)。
 別にSMGでも良いのですが、ここは組込時にキーボード基板とメイン基板の間に挟まれる形になり、温度が上昇した場合に熱の逃げ場所がほとんどありません。他の4本は上方に空間があるのですが。
 そういう場所にある2本なので、万一の状況に備えて少し使ってみた次第です。ケースが熱変形するくらいの外部温度にでもならない限り、意味無いかもしれませんが(笑)。

 交換後は、特に熱くなるような事も無く快調に動作しています。


画像4:交換の終わった電解コンデンサ(黒または茶にグレーの円筒形・計6本)

2.トランジスタの交換

 画像4で、下部中央にある黒色の部品2個がトランジスタ。オリジナルは小電力増幅用の2SA573(新日本無線)です。基板にも印刷されていますね。
 これも今は入手困難ですが、互換表を見ると「2SA1015」の文字が。
 「なんだ、Aの1015使えるんだ!」という事で、早速購入して交換。形状も脚の並びも一緒です。

 ちなみに2SA1015(東芝)は、コンプリメンタリの2SC1815(東芝)と共に最も有名なトランジスタの一つ。工業系学校や大学でトランジスタを扱う時など、まずこれらから使うのではないでしょうか?
 電子工作をかじった事のある人なら、誰でも知っている名トランジスタです。

 今回のリフレッシュはここまで。動作は快調です。


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