CF-5950・修理改良記(1)

 オークションで落札したCF-5950。しかし30年以上経過した個体のためか、使ってすぐに不具合が色々・・・(苦笑)
 ここでは、これまでと趣向を変えて5950で経験した修理の経過について書いていきます。なおチューナー部は良好でしたので、ほとんど調整はしていません。ご了承ください。
 間違いなどがあるかもしれませんし、画像が多いのでこの点はご容赦願います。またくれぐれも自己責任で行ってください。故障などが発生した場合の責任は取れませんので、よろしくお願いします。

1.入手直後に発生した不具合について

 入手直後はそれなりに動作していた5950でしたが、すぐにこんな感じで不具合が発生しました。

(1) スプレッドダイヤルが回ったり、まれに止まってしまう。
(2) カセットの早送りがすぐ止まる(じきに再生も不可)。
(3) メーターの動きが悪い、時に中間で停止。
(4) VOLUMEとTREBLEでガリが発生。
(5) 巻戻し終了直前か直後に、ガガガと音がしてテープが回らなくなる。

 これらは要対応なので、以下のようにして解決しました。

※解決編

(1) 原因は、スプレッドダイヤルの周波数表示部を留めている2本のネジのうち、1本が正常に入っていなかったため。正常にネジ止めし直して完了。
(2) ドライブベルトが硬化した上に緩いため。「ベルト交換済」との事でしたが、新品ではなくサイズの合いそうな中古品(実測85mmφ)に交換したようです。5950のドライブベルトは80mmφで1.2mm〜1.5mmの角ベルトを使用します。1.4mm角の新品ベルトに交換して、正常動作を確認。
(3) 最初は軸のネジを緩めれば・・・と思いましたが、改善しないので同サイズ、同感度と考えられるメーターに交換。約45mm角のラジケータで表示窓の出っ張りサイズが合えば、同様に使える物が多いと思います。今回は新品で感度200μAのラジケータを購入して取り付けました(後述)。
(4) 裏蓋とフロントパネルを外し、ボリューム内部に少量の接点洗浄剤を噴霧して回復しました。
(5) 入手当時からカセット蓋を閉めた時、手前に出すぎている感じがしました。原因はカセット蓋を止めるストッパーが正常位置より浮いていたため、カセットテープが正常にセットされない事によるもの。ストッパーを正常位置に戻し、カセット蓋が正常に奥までセットされるようになると、現象は解消しました。

2.音質対策

 インターネットで5950関連の記事を見ていて、気になったのが「音質が良くない」という話。楕円形のスピーカー(5950は10×15cm)は音質の良いものが少なくないし、アンプ部もまともなので素性は良いと思うのですが・・・
 音質向上にはスピーカー交換が最も有効ですが、5950のスピーカーは「インピーダンスが24Ωという、今ではかなり高めの仕様。市場でもほとんど見かけませんし、簡単に交換できる代物ではありません。
 それでも可能な限りの音質向上策を取ってみようと考え、以下のような内容を試してみることにしました。

(1) アンプ基板の電解コンデンサで、平滑コンデンサ以外(25個)を全てオーディオ用に交換。
(2) 電源の平滑コンデンサは容量を2200→4700μFにアップ。並列に高周波対策用のパスコンを追加。
(3) メーターは同程度の大きさ・感度のものと交換。
(4) 5950裏蓋の振動抑制のため、裏蓋内側にウエイト(おもり)を装着(セットの重心安定のため、中央下方に装着)

 という事で、ようやく分解に入ります。

3.分解手順

 分解は比較的簡単です。裏蓋と本体に接続してあるケーブルもありません。ただ外部アンテナのアース部と基板のアース部とは金具で接続してあるので、フロントパネルを取り出す時はこれを折らないよう注意が必要です。
 組み立ては、分解と逆の手順で行います。

(1) 本体裏面のネジ6本を外します。ネジは6本とも同一のものです。
 裏蓋を外すと、以下のようになっています。向かって左がチューナー基板、右がアンプ・電源基板です。コンデンサの交換は、右側の基板上のみ行います。今回は、チューナー基板に手を触れる予定はありません。

(2) つまみ類とカセット蓋を外すと、フロントパネルを外す事が出来ます。スプレッドダイヤルは中央のつまみを外すとスプレッドダイヤルが2本のネジで留められているので、これを外してからダイヤルの周波数表示部分を外します。
 ダイヤル下には、灰色の金具が入っていますのでこれも取り出しておきます。

4.アンプ・電源基板の取り外し

 アンプ・電源基板は、向かって左のネジ2本を外し、基板右上で留めてある部分を外すと、シャーシから外れます。ただし完全に外すには、数箇所あるケーブルのハンダ付けを外す必要があります。
 私は電解コンデンサ交換でケーブルを外さず行いましたが、この場合ケーブルを切らないように細心の注意が必要です。
 基板をひっくり返すと、以下のように部品が並んでいます。これは昔の電解コンデンサ・交換途中の画像で、今回のものとは異なります。
 なお入手した5950では、ニチコン製の標準品が使われていました。

5.チューナー基板

 下の画像がチューナー(ラジオ)部の基板です。本体の約半分を占めるほど大型の基板で、5900よりは余裕を持った設計になっています。メインバリコンは左下で糸かけ駆動。角型ポリバリコンではなく、スカイセンサー/クーガで良く使われている直方体に近いタイプのものです。

 中央にはMWとSWのOSCコイルとトリマがあります。裏蓋を開けなくても、小窓を開けて調整できるのがここ(MW OSC/SW OSC)です。
 右側のシールドで囲まれた部分がFM部で、SWでは第1局発として共用する部分があると思われます。右下の方は、AM用のIFT(455kHz)でしょう。
 シールドされた部分がマーカー回路、中央に「50」と表示された所の周辺が、スプレッドダイヤル関連の回路と思われます。

 5900よりは調整がしやすいですが、トラッキング調整は結構難しいです。MW OSC/SW OSCでフィルムダイヤルとの表示ずれを調整する以外は、相当の経験と機器を持った人が行うのが無難だと思います。調整を誤ると元に戻すのは大変なので、多少の感度低下には目をつぶる事も必要です。

 続きます。


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