CF-5950・修理改良記(2)

6.メイン基板の電解コンデンサ交換

 チューナー基板の部品は問題無さそうでしたので、今回は試験的にメイン基板の電解コンデンサ(26個)を全部交換してみて、効果を確認してみることにしました。
 なおあくまで実験的なものであり、平滑用コンデンサの容量増加なども行っています。実際に行われる場合は自己責任と共に、同容量のものに交換する事をお勧めいたします。

(1) 電源平滑用コンデンサ
 5950では、ニチコン製・2200μF/10Vの物が使われていました。最初はニチコンのKW(2200μF/16V)を取り付けましたが、回路上は結構余裕を持った設計が成されていると見られ、突入電流にもある程度まで対処可能と考えましたので、実験的に以下の品を使うことにしました。
 なお上で述べたとおり、メーカー製ラジオやラジカセは可能な限り、同容量のものに交換するのがベターです。


 日本ケミコンのKZH(4700μF/10V)です。超低ESR/低Z/高リプル電流が特徴の、かなり高グレードな製品。105℃・6000時間動作保証という、冗談のようなスペックを持っています。オーディオ用というより、サーバなど過酷な環境で使う情報機器の電源用でしょうか。
 5950の電源用としては贅沢ですし105℃品である必要も無いのですが、新品を安く譲って頂けたこともあり、試しに使ってみる事にしました。

(2) 電源パスコン
 電源の平滑コンデンサと並列に、0.1μFのパスコンを追加で入れます。これは普通のフィルムコンデンサで十分でしょう。メタライズドフィルムやマイラ、積層セラミックなどはお好みでどうぞ、という感じです。耐圧は10V以上です。

(3) 他の箇所
 メイン基板の中身は電源・アンプ・カセット関連の回路であり、特に高周波を意識する必要も無いと判断したので、全数(25個)ニチコンのオーディオ用・KWで統一しました。元々ニチコン製が使われていましたし、KWなら変なクセや特性は無いのでバランス良く音質アップが期待できます。
 数は0.47μFが6個と一番多く、後は10, 33, 47, 100, 220, 470, 1000μFなどが使われています。だいぶ前の交換なので、個数は失念(苦笑)。
 1000は1個、あとは3,4個持っていれば大丈夫だと思います。

7.交換後の基板

 メイン基板をひっくり返したもの。黒い円筒形で、−側を表す金のラインがあるものが、交換した電解コンデンサです。ケーブルの下に隠れているものもありますが、全部で26個。この画像は第一段階終了時で、中央下の大きな電解コンデンサ(平滑用)も含めて、26個全てをニチコン・KWで統一してあります。
 その後平滑用電解コンデンサのみ、前に述べたように日本ケミコンのKZH・4700μFに交換しています。

 平滑用の電解コンデンサと並列に取り付けた、0.1μF(耐圧50V)のフィルム・コンデンサです。一般的なマイラ・コンデンサです。
 電解コンデンサの裏側にハンダ付けしました。

8.交換後の音質について

 電源当初は、若干高域が耳に付く感じでしたが、時間の経過につれて、低域・高域のバランスが取れてきました。
 はっきり違いが分かるのが、音の明瞭度。クリアーでノイズの少ないものです。これはカセットテープへ録音した音と再生音を聴いてみると、さらにはっきりしています。
 平滑用コンデンサの増量効果は、低域の豊かさとパワーに少し出ています。増量時にはよく見られる傾向です。5950ではありませんでしたが、機器セットによっては箱鳴り等を引き起こす事があります。
 平滑コンデンサの容量アップは、あくまで「電源リップルの低減」がメインにありますので、箱鳴り増加等あまり低音の効きなどがひどかったり、動作不安定の要素が出ていれば、速やかに容量を元通りにするか、減らす事です。

9.メーターの交換(2010.10.17更新)

 メーターが故障してしまいましたので、交換しました。最初はラジカセのVUメーターを使いましたが、針が見にくいので再度交換です。
 45mm角のものでフルスケール 200μAのラジケータであれば、使える可能性があります。ただし45mm角のもので200μAは入手困難のため、今回はここで購入した200μA・40mm角のラジケータを購入し、元のメーターの前部(透明プラスチック部分)を購入したメーターの前面に貼り付けて取り付けました。一種のスペーサー代わりで、前面は二重窓といった感じになります。
 結果は下図のようになりました。バックは黄色く見えますが実際はベージュ色です。生意気にも?ミラースケール付です。
 表示は信号レベルの表示だけで十分でしょう。5950は録音レベルは自動調整ですし、マーカーレベルやバッテリー残量は「針が中央より右にいけばOK」なので。

 動作には問題ありません。むしろ新品のせいか、メーターの振れが相当敏感です。短周期のフェージングでもきちんと追従します。
 同じようなデザインと感度で、メータースケールがSメーターのものがあれば即買って取り付けるのですが、今はなかなか無いです・・・感度500μAのものは結構あるのですけれども。

10.裏蓋のウェイトについて

 音量を上げた時に、裏蓋のビビリ等が起きないように若干ですが、板製のオモリを貼り付けています。釣りなどで使う、250gの鉛製・板オモリを折り曲げ、両面テープで接着しています。一応表面には、絶縁用のテープを貼ってあります。
 接着位置は、裏蓋中央やや下の、ちょうど細長いくぼみになっている所です。あと鉛を扱った後は、手をきれいに洗いましょう。

 効果としては、少しはあるのかな?という感じです。少なくても音量を上げて、裏蓋がブルブル震えるということは少ないように感じます。
 設置時の安定度は、確かに増しています。地震が来ても簡単には倒れないでしょう・・・

 さて、元々の5950の重さは、電池込みで5650gくらい。
 これに250gのオモリが入り、カセットテープを入れると総合重量は・・・ほぼ「5950」グラムです(笑)。

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