ICF-5450の内部と調整
ここでは、ICF-5450の内部と調整箇所について、分かる範囲で記載します。
なお間違いなどがあるかもしれませんし、画像が多いのでこの点はご容赦願います。またくれぐれも自己責任で行ってください。故障などが発生した場合の責任は取れませんので、よろしくお願いします。
1.分解手順
分解は、当時のソニーラジオにしては、比較的簡単です。ただスイッチ等を折ったりケーブルを切断する可能性があるので、注意が必要です。
組み立ては、分解と逆の手順で行います。
(1) 本体裏面のネジ4本を外します。ネジ長は同じですが、ピッチが刻んでいる長さで短いのと長いのがあるので、組み立てる時場所を間違えない事です。
(2) 裏蓋を外すと、以下のようになります。なおアンテナ線(青緑)と右側のスピーカー接続線(赤黒ペア)は、修理の際に付け替えたもの。元々はアンテナ線は青、スピーカーは黄と黒です。赤色(黄色)が+側です。
(3) チューニング、音量、タイマー、音質(BASS/TREBLE)のつまみを全て外します。
(4) スピーカー線、アンテナ線を半田ごてを使って外します。外した後、基板を下向きにゆっくり引きながら持ち上げる感じで、フロントパネルから外します。若干コツが必要です。
(5) 外して基板をひっくり返すと、以下のようにフロントの部品面を出す事が出来ます。
2.電解コンデンサの交換
この機種は電解コンデンサが容量抜けや液漏れを起こしている事があるので、スピーカー周囲の主なものは、新品交換した方が良いと思われます。今回は、以下のA〜Kまでの10個(Iはまぎらわしいので、欠番)を新品と交換しました。
交換に使ったのは手持ち品の流用で、日本ケミコンのSMG(標準品)またはニチコンのKW(オーディオ用標準品)を使っています。無理してオーディオ用を使わなくても、全数SMGで大丈夫でしょう。
画像は交換後のものです。なおC〜Fは、画面上方に向かってコンデンサを倒して半田付けする必要があります。そうでないと、スピーカーと干渉してしまいます。
容量は以下の通りです。耐圧は10V以上なら問題ありません。
A・・・220μF B,E,G,K・・・470μF C,D,F・・・33μF H・・・2200μF J・・・100μF
3.調整について
調整箇所については以下の図に記載してあります。なお以下に書くように調整は結構面倒な仕様になっています。
まずANTトリマですが、MWとSWについては60分タイマーの真下に2つ並んでいます。タイマーは上部でネジ2個で留められているだけなので、簡単に外せるでしょう。SSGなどで信号を入れた上(MWは1500kHz,
SWは12MHzでしょうか)、最大感度になるよう調整します。
FMのANTトリマは、メーターの真下にあります。メーターはプラスチックの爪2箇所で保持されているだけですが、間違って爪を折らないよう注意が必要です。
一番やっかいなのがOSC関連で、これはフィルムダイヤル機構を完全に外さないと、調整できません。フィルムダイヤルの真下にあるためです。
中にはコイルとトリマが2つ確認できますが、小さいトリマがSWの調整用です。大きいトリマとコイルは触らなかったので不明。おそらくMWかFMの調整用と思われます(コイルはSW用の可能性あり)。
このため、5450ではフィルムダイヤルの目盛を見ながら周波数表示を合わせる、という事は不可能です。特定バンドのみ極端にズレているような事がない限り(5450では非常に少ないです)、OSC関連の調整はあまりお勧めしません。
4.フィルムダイヤル機構の取り外し
5450はFM/MW/SWとも同程度で周波数ズレが起きている場合、フィルムダイヤルを一度外す・浮かせて直す事で、調整できる場合があります。
この時はフィルムダイヤル右横の中ほどに、フィルムダイヤルを固定する爪がありますので、これを浮かせた上でフィルムダイヤル機構を上に持ち上げる感じで外します。こうするとフィルムダイヤルが上下フリーに動くので、調整した上ではめ込みます。はめるときはプラスチックのギアや爪を折ったりしないよう、注意が必要です。