SONY ICF-5450 : Skysensor 5450

 ICF-5450(スカイセンサー5450, 以下"5450"と略)は、1974年に発売されたFM/MW/SWの3バンド・ラジオです。5450の主な仕様は、以下の通りです。

1.型式:SONY ICF-5450 (愛称: "スカイセンサー5450")
2.大きさ(概算):横248・高さ160・奥行70(単位:mm)、重量:約1.35kg
3.電源:単2電池×3、DC 4.5V。
4.受信周波数:FM:76〜90MHz、MW:525〜1605kHz、SW:3.9〜12MHz
5.受信回路::スーパーヘテロダイン(FM:10.7MHz/MW:455kHz)
6.ダイヤル:フィルムダイヤル式・オールギアドライブ
7.アンテナ:FM/SW:内蔵ロッドアンテナ:MW:内蔵フェライトバーアンテナ。FM/AM外部アンテナ端子

8.主な機能:AFC、ダイヤルライト、低音・高音独立音質調整、60分機械式タイマー、NSBクリスタル端子、イヤホン/REC OUT端子
9.当時の定価:17,500円

 一見すると、当時としては平均的な3バンド・ラジオです。横長のスタイルといい、スカイセンサーの前にあった高性能ラジオ「11シリーズ」の流れを汲んでいるような外観。ただ「11シリーズ」とは趣を異にする、スカイセンサーらしい垢抜けたデザインに仕上がっています。
 また5450の前にICF-5400(スカイセンサー5400)という3バンド・ラジオがあり、これはもっと「11シリーズ」の色が強いデザイン。型番を50番上げたのは、横長デザインを維持しつつ、ICF-5400を外観も内部もリニューアルした製品という事だと思います。

 あとデザイン的には、松下のワールドボーイGXO(RF-848)を意識した所があるかな?と個人的には思っています。ダイヤル(RF-848は横ですが)の下に大型メーター、スイッチの配置構成などに類似した所があるように思います。

 当時のスカイセンサーのカタログを見ると、5450はICF-5600(スカイセンサー5600)と共に「Better Reception」というサブタイトルが付いて掲示されています。ICF-5600と共に掲示されているという事は、ある程度設計思想に共通の部分があるという事でしょう。つまり「FMを中心にした音質重視設計」という事になります。

 事実5450には、筐体に比較して大型の12cmスピーカー(加えて防磁シールド付)、BASS/TREBLE独立の音質調整、AFCスイッチ、ステレオ受信向けのMPX OUT端子など、FM放送向けの機能はフルに搭載されています。高周波回路にも当時としては高性能のFETを積んでいます。
 一方MW/SW用はNSBクリスタルのOn/Offスイッチ以外、何もありません。MWの感度切替スイッチ(DX/LOCAL)すら省略されています。

 この事からも5450は、FMを中心とした高感度・高音質ラジオとして当初設計されたと思われます。事実音質は、歴代のソニーラジオの中でもかなり上位に来ると思われるくらい、優れたものです。

 なお「ではMW/SWは大した事無い?」かというと、さにあらず。5450の発売された1974年は、折りしもBCLブームの真っ只中。スカイセンサーはその中心ラジオとしてあったので、5450もMW/SWについては相当の高感度設計になっています。バーアンテナは16cmを超えるロングタイプですし、SWもRAE(アルゼンチン)以外の日本語放送であれば、現在でも良好に受信できる力があります。

 またダイヤルは、フィルムダイヤルの駆動機構も含めて「真のオールギアドライブ」。糸かけ機構は一切使われていません。そのためチューニングではバックラッシュなどのスベリ感を感じることなく、快適です。

ICF-5450の内部と調整について

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