162-Fのオモシロイ現象

 162-Fを触っていて、遭遇した面白い現象について書いてみました。

1.丸め桁数は絶対です

 162-Fで計算していて、下記の結果になったとします(99,999,999.12345678)。

 なお画像下のスイッチで丸め設定がしてあり、「四捨五入」で小数点以下は「第8桁」にセットしてあります。
 この状態で「1、[+=]」と1を加算すると・・・

"E"表示、エラー、計算終了。

 ちなみに現在の大多数の電卓は、同様の場合「1,000,000.1234567」と表示され、小数点以下の下1桁を省略して整数部表示を優先します。
 162-Fでは四捨五入モードだけではなく、「F」以外の切上げ・切捨てモードでも同様になります。指定した小数部桁数の表示(今回は8桁)が、出来なくなった時点で計算終了、という「丸め桁数は絶対です」な仕様です。
 さすがに11段階もの大型スイッチを、丸め桁数用に搭載しただけの事はあります。

2.ルートは続くよ負数でも

 実務電卓で「√」キーのある機種では、負数(-2など)を入れて√キーを押すと、マイナス表示での平方根とエラー("E")が表示されるのがほとんどです。例えば−4、[√]だと「E −2」と表示し、一回計算をストップします。
 さて162-Fですが、−5の平方根でやってみます。

 これで右下の「√」キーを押すと・・・

 マイナス付きの√5で・・・あれ、エラーにならない。なお162-Fのエラーは、最下桁に"E"表示だけが出ます。
 この後の計算も、もちろん普通どおりに可能。負数のルートくらいでは計算を止めない、さすがは高級機という所でしょうか。
 でも17桁(1京)以上の数値を入力しようとすると、速攻で"E"ですが・・・

3.月の大小って何よ?(日数計算・その1)

 162-Fの大きな特徴である「1000年1月1日〜2738年1月25日」まで計算可能な日数計算。1700年以上という広大な日数計算で「曜日や閏年の処理は間違いないのか?」という疑問があり、色々やってみました。
 その前に162-Fの日数計算ですが、日付を入力して「その日が何曜日であるか」と、「ある日からある日までの日数は、何日間か」を求める事が出来ます。何日間を求める時は、後の日付を先に、前の日付を後に入力します。

(例) 2010年3月15日と同年3月18日の曜日、何日間かを求める。

(1) 2010 [DATE] 3 [DATE] 18 [DATE] →「4.  2010  3  18」と表示するので、続けて[+=]を押す。
※アンダーラインの数字が曜日を表します。0=日、1=月、2=火、3=水、4=木、5=金、6=土です。
(2) 2010 [DATE] 3 [DATE] 15 [DATE] →「1.  2010  3  15」と表示されます。
(3) [-](-=)を押すと、日数の「」が求められます。片落計算なので、後から入れた基準となる日は計算に含みません。
前と後の日付を逆に入力した場合は「−3」と表示されます。

 一見普通の処理ですが、162-Fは入力において「月の大・小」という考え方がありません。全ての月で「日付は31日まで入力可能」という素晴らしすぎる仕様になっています。ですから、こんな日付入力も可能です。

 2010年2月31日、曜日は「3.」だから水曜日ですか・・・って、おい。
 でも162-F様がさすがなのは、上でアンダーラインを引いたように「入力において」だけって事です。内部では、平年なら「2月29日=3月1日、2月30日=3月2日、2月31日=3月3日」という形で変換して計算します。もちろん他の小の月も同様です。
 そのため上の画像の後で、

と、2010年3月3日を入力しても左端・曜日の表示は同じ水曜日(3.)。最後に[-]キーを押しても、

といった具合に、ちゃんと「0日間(同じ日)」と正しく計算されます。めでたしめでたし。

4.うるう年の判定や、いかに?(日数計算・その2)

 うるう年か平年かの判定は良く知られていますが、簡単にまとめると以下のようになります。

(1) 4で割り切れない年は「平年」
 (2) 4でも100でも割り切れるが、400で割り切れない年は「平年」→例:1900、2100、2200年など
 (3) 上記(1),(2)以外の年は「うるう年」

 (1)と(3)は、年が4で割り切れるか否かだけなので簡単に判定できますが、要は(2)の判定がきちんと出来るか。
 という事で2100年2月29日(実際には無いが)で実験してみました。

 曜日は「1.」なので月曜日。この後2100年3月1日を入力して、

・左端の曜日番号が同じ「1.」なら「2100年2月29日=2100年3月1日」と内部で判断しており、(2)の判定が出来ている。
・曜日番号が「2.(火曜日)」なら、上記(2)の判定が入っていない(2100年2月29日が実際無いのに存在すると判断し、1日と数えた)。

 では、「2100 [DATE] 3 [DATE] 1 [DATE]」・・・さあ、判定やいかに!?

「1.」だぁ!!!!! さすが162-F様、うるう年計算も完璧!!

 もちろん何日間かの計算も・・・[-]をポチッとな。

 当然「0日間=当日」ですな。素晴らしい!
 この後、上記(2)の条件を満たす年でテストし、全て問題ないことを確認。もちろん本来のうるう年では、上記の計算では結果「1(日間)」と出てきます。
 これで安心して1700年間以上の期間、日数計算出来ます!・・・何に使うか分かりませんが(笑)

162-Fへ戻る

電卓トップへ戻る

inserted by FC2 system