National RF-2600 : PROCEED 2600

 RF-2600(PROCEED 2600, 以下"2600"と略)は、1978年に発売されたFM/MW/SW1〜4の6バンド・ラジオです。2600の主な仕様は、以下の通りです。

1.型式:National RF-2600 (愛称: "プロシード2600")
2.大きさ(概算):横342・高さ237・奥行116(単位:mm)、重量:3.6kg(電池含む)
3.電源:単1電池×6、AC 100V
4.受信周波数:FM:76〜90MHz、MW:525〜1605kHz、SW1:3.9〜10MHz、SW2:10〜16MHz、SW3:16〜22MHz、SW4:22〜28MHz
5.受信回路:SW:ダブル:スーパーヘテロダイン(1st:3MHz・2nd:455kHz)、FM/MW:スーパーヘテロダイン(FM:10.7MHz/MW:455kHz)
6.ダイヤル:ドラムダイヤル式・糸かけ式 (バリコン駆動はオールギアドライブ)
7.周波数カウンタ:FM/MW/SW・蛍光管式全波表示カウンタ(FM:0.1MHz単位・MW/SW:1kHz単位)・表示ON/OFF切替可

8.アンテナ:FM/SW:内蔵ロッドアンテナ:MW:内蔵フェライトバーアンテナ

9.主な機能:AFC、MW選択度切替(WIDE/NARROW)、RF GAIN、BFO(ピッチコントロール付)、ダイヤルライト、カウンタ周波数校正、低音・高音独立音質調整、イヤホン/REC OUT端子
10.当時の定価:47,800円

 デジタル周波数直読機「プロシード」シリーズの3台目が2600です。RF-2800の後継機ですが、最大の特徴は「FM/MW/SW全波周波数直読」を、ポータブルラジオで実現している点です。なおRF-2800では赤色のLED表示でしたが、2600では水色の蛍光管となりました。蛍光管はノイズを発生するため、周波数カウンタユニットは金属製の箱にがっちりシールドされています。
 しかしPLLシンセサイザ方式ではなく、通常のアナログ回路に周波数カウンタを付けたラジオですので、長く聴いていると少しずつ周波数がズレてきます。特にSWを聴いていると短時間で1,2kHz動く場合がありますが、これは仕様なので仕方ありません。
 また受信周波数と、デジタル表示とのズレを校正するためのCALつまみがあります。これは親切。

 BCLラジオとしての性能はかなり高いものです。ダブルスーパーの1st IFはRF-2800の2MHzから3MHzに上がりましたので、イメージは少なくなっています。またRF-2200の4MHzごと分割と同じように、短波帯は6MHzごとにバンド分割されており、すっきり分かりやすくなっていますね。
 ダイヤルはバリコン駆動にオールギアドライブを採用。ただしRF-2800にあった速度切替はありません。左上のドラムダイヤルは糸掛け機構ですが、特にバックラッシュは感じません。
 RF GAIN、ピッチコントロール付のBFOはRF-2800から継承。特にBFOは「何とか実用的に使えるようになったね」という感じで、SSB受信がなかなか楽しくなっています。RF-1150以降2200まで、ナショナル・ラジオのBFOはどうも効きが弱いように感じていたので。

 総合的な感度や選択度もアナログラジオとしては最高クラス。この後ソニーもナショナルも、PLLシンセサイザがメインになっていく事を考えれば「最後の傑作アナログBCLラジオ」と言えるのかもしれません。
 また音質は、スピーカー背面にエンクロージャ空間を十分確保していることもあり、非常に優れたものです。FM放送をマッタリ聴くのにも良いですね。

RF-2600の内部と調整について

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